著作権・ポリシー · · 9分で読めます
YouTubeショート著作権サバイバルガイド — 「出典を書けば大丈夫」がチャンネルを消す
ショートの著作権を総まとめ。Content IDの申し立てと著作権侵害の警告の違い、警告3回での削除、2026年9月に変わった1分超ショートのルール、韓国著作権法の引用と公正利用、フォント、肖像権、許可依頼文とチェックリスト。
Shorts Zone 編集部
チャンネルが消えるいちばんの近道は、アルゴリズムではなく著作権です。警告が3回たまればチャンネルは削除され、そのチャンネルに紐づく別のチャンネルまで一緒に消えます。ところが、クリエイターの間で出回っている著作権の「常識」の半分は間違っています。「出典を書けば大丈夫」「10秒以内なら大丈夫」「収益化していなければ大丈夫」。どれも法律には書かれていません。
この記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。具体的なトラブルは、弁護士や韓国著作権委員会への相談を通してください。
申し立てと警告はまったくの別物
YouTubeの著作権トラブルは2つのルートでやってきます。この2つを混同すると、対応がすべてずれてしまいます。
| 区分 | Content IDの申し立て | 著作権侵害の警告(削除依頼) |
|---|---|---|
| 誰がかけるか | 権利者が登録した自動照合システム | 権利者が直接出す法的な削除依頼 |
| 動画は | 権利者のポリシーに応じて収益の移転、トラッキング、特定の国でのブロック | 削除される |
| チャンネルには | 通常は警告にならない | 警告が1回たまる |
| 解消方法 | 該当部分の削除・差し替え、根拠があるときの異議申し立て | 90日経過+著作権学校の受講、撤回の依頼、異議申し立て通知 |
YouTubeヘルプによると、著作権侵害の警告は著作権学校を修了してから90日が経つと失効します。90日以内に警告が3回たまると、アカウントに紐づくチャンネルが削除の対象になり、新しいチャンネルも作れなくなります。権利者が「削除予約」で依頼した場合は、7日以内に自分で削除すれば警告を避けられます。
ショートだけのルール2つ
1分を超えるショートと申し立て。 ショートの長さが最大3分まで延びてから、1分を超えるショートにContent IDの申し立てがつくと、権利者のポリシーに関係なく全世界でブロックされていました。このルールは2026年9月24日に変わりました。いまは新しく投稿する1〜3分のショートは、申し立てがあっても自動ではブロックされず再生できます。ただし、全世界でブロックされたショートは引き続き収益化の対象外です。
ショートの音源。 YouTubeアプリ内のショート用オーディオで選んだ曲は、3分のショートならほとんどが90秒まで使え、曲によっては60秒か30秒に制限されます。YouTubeオーディオライブラリの著作権フリーの音源は、申し立てを受けません。逆に、音楽サイトからダウンロードした曲を編集ソフトで動画に焼き込むのは、この許可とは無関係です。権利者がブロックすればブロックされます。
韓国の著作権法:引用と公正利用
YouTubeのルールとは別に、韓国で映像を使えば韓国の著作権法が適用されます。クリエイターが頼れる条文は2つです。
- 第28条(公表された著作物の引用):報道、批評、教育、研究などのためであれば、正当な範囲内で、公正な慣行に合致する形で引用できます。
- 第35条の5(著作物の公正な利用):著作物の通常の利用方法と衝突せず、著作者の正当な利益を不当に害さない場合には利用できます。判断の際に見るのは4つの要素です。
- 利用の目的と性格(批評・教育なのか、原作をそのまま楽しませるものなのか)
- 著作物の種類と用途
- 利用した部分が全体に占める割合と重要性
- 原著作物の現在・将来の市場や価値に与える影響
ここで、よくある思い込みが3つ崩れます。
- 「出典を書けば大丈夫」:出典の明示は引用するときに守るべき義務のひとつにすぎず、許可の代わりにはなりません。出典を書いても侵害は侵害です。
- 「10秒、30秒以内なら大丈夫」:法律に秒単位の基準はありません。たとえ3秒でも、それがその映像のいちばん重要な場面(決勝ゴール、ドラマのどんでん返し)なら、割合と重要性の点で不利になります。
- 「収益化していなければ大丈夫」:非営利は1つ目の要素で少し有利になるだけです。原作の代わりに見られてしまうなら、4つ目の要素で負けます。
ジャンル別に見ると
テレビ番組・ドラマ・バラエティ・スポーツ
放送局やスポーツの放映権者は、Content IDをもっとも積極的に使う権利者です。名場面をつなぎ合わせただけのショートは、ほぼ確実に引っかかります。YouTubeのポリシーも「好きな番組の場面をストーリーなしでつなぎ合わせたクリップ」を再利用されたコンテンツの例に挙げ、収益化の対象から外しています。このジャンルをやりたいなら、放送局が公式に認めている方法(公式クリップの共有、提携)を探すか、映像ではなく自分の顔と自分の分析を主役にしましょう。
映画
予告編の数秒を根拠にしたレビューと、映画の重要な場面をつなげてあらすじを全部見せる要約動画は、法的にはまったく別物です。後者は原作を見る理由を肩代わりしてしまうので、4つ目の要素(市場への影響)でもっとも不利になります。レビューをするなら、配給会社が公開した公式スチールや予告編の範囲内で、自分の批評を中心に据えましょう。
ゲーム
ゲーム映像は、ゲーム会社ごとに別々のポリシーがあります。ライアットゲームズは法的通知(Legal Jibber Jabber)で、ポリシーを守る範囲でゲーム映像から広告収益を得ることを認めています。任天堂はゲームコンテンツガイドラインで、創作的な工夫や解説が入った動画を認め、単なる複製は認めていません。よく扱うゲームがあるなら、そのゲーム会社のクリエイター向けポリシーのページを一度は最後まで読んでおきましょう。ゲーム内のライセンス楽曲は、ゲーム会社が許可していても、音源の権利者が別途申し立てをかけることがあります。
他人のショート・配信者の切り抜き
ほかのクリエイターの動画を切り抜くなら、許可がすべてです。許可なく投稿すると、著作権侵害の警告、YouTubeでの収益化対象外、Instagramのおすすめからの除外がまとめてやってきます。許可は口約束ではなく、記録として残しましょう(下の依頼文を参照)。
音楽以外にも引っかかるもの
フォント
無料フォントでも、「無料」の範囲はそれぞれ違います。印刷物はOKでも動画はNGのフォント、個人利用のみのフォント、ロゴには使えないフォントがあります。字幕やサムネイルに使うフォントは、ライセンス文書で動画での使用と商用利用の両方が認められているかを確認し、その画面をスクリーンショットしておきましょう。
肖像権とパブリシティ
路上で撮った人、お店のお客さん、撮影中に映り込んだ通行人にも肖像権があります。誰だか分かる顔が動画の中心なら、同意を得るかぼかしを入れましょう。有名人の名前、顔、声を自分の商売(広告、商品の宣伝)に無断で使うと、2022年6月に施行された韓国の不正競争防止法のパブリシティ条項に抵触するおそれがあります。有名人の顔をサムネイルに貼りつけて、広告のように使うショートが典型例です。
AIで作った・加工した場面
YouTubeでは、本物のように見える合成・加工コンテンツ(実在の人物が言っていないことを言わせた動画、実在の場所での偽の出来事など)を投稿するとき、アップロード画面で「改変または合成されたコンテンツ(Altered or synthetic content)」の表示をするよう求めています。広告であれば、韓国の公正取引委員会も2026年6月から、AIの仮想人物が登場する推薦・保証広告に「仮想人物」の表示を義務づけています。
許可のもらい方:そのままコピーして使える依頼文
クリップを使いたい元の投稿者に送ります。返信はスクリーンショットを撮り、動画ごとのフォルダに保存しておきましょう。
はじめまして。○○チャンネルを運営している△△と申します。 ○○様の動画『タイトル』(リンク)の03:12〜03:58の部分を縦型ショートに編集し、私のチャンネル(リンク)に投稿させていただきたく、ご連絡いたしました。 ショートには元動画のリンクとチャンネル名を明記し、私の解説字幕を加える予定です。なお、私のチャンネルは収益化しています。 使用範囲:YouTubeショート、Instagramリール、TikTok/期間:投稿日から無期限(または○か月) ご許可いただける場合は、このメールに「許可します」とご返信いただけますと幸いです。ご希望でなくなった場合は、いつでも削除いたします。
依頼文で抜かしてはいけないのは、どの部分を、どこに、どれくらいの期間、収益化の有無まで書くことです。「使ってもいいですか?」「いいですよ」では、あとから何も証明できません。
アップロード前のチェックリスト
- 動画のすべての場面を自分で撮ったか、使う権利を記録として持っている
- 音楽はアプリ内の音源か、著作権フリーの音源か、ライセンスを購入したもの
- 他人の動画クリップは許可を得ていて、返信のスクリーンショットを残している
- 批評・解説が動画の主役で、原作の決定的な場面を丸ごと使っていない
- 字幕・サムネイルのフォントが動画での使用と商用利用を認めている
- 誰だか分かる一般の人の顔は、同意を得たかぼかしを入れた
- 有名人の顔や名前を広告のように使っていない
- 本物に見えるAI合成の場面があれば、「改変または合成されたコンテンツ」を表示した
- 案件なら「有料プロモーション」の表示(Includes paid promotion)と画面上の表記をした
長尺動画からショートを切り出すなら、元の動画そのものが自分の動画であるのがいちばん安全です。自分で撮ったポッドキャスト、講義、インタビューから切り出したショートは、権利の心配なく何度でも使い回せる資産になります。

よくある質問
ショートに曲は何秒まで使えますか?
韓国の著作権法には秒単位の基準はありません。YouTubeアプリ内のショート用オーディオで選んだ曲は、3分のショートならほとんどが90秒まで(曲によっては60秒か30秒)使え、オーディオライブラリの著作権フリーの音源は申し立てを受けません。ほかで入手した曲を動画に焼き込んで投稿するのは、この許可とは無関係です。
著作権侵害の警告はいつ消えますか?
著作権学校を修了してから90日が経つと失効します。権利者に撤回を依頼したり、削除が誤りだった場合や公正利用にあたる場合には異議申し立て通知を出したりすることもできます。90日以内に警告が3回たまると、チャンネルは削除の対象になります。
出典を明記すれば著作権の問題はありませんか?
いいえ。出典の明示は引用するときに守るべき義務のひとつにすぎず、権利者の許可の代わりにはなりません。引用と公正利用は、利用の目的、利用した部分の割合と重要性、原作の市場に与える影響などを総合して判断されます。
Content IDの申し立てがつくと、チャンネルに不利益はありますか?
申し立ては通常、著作権侵害の警告ではありません。権利者のポリシーに応じて、その動画の収益が権利者に渡るか、特定の国でブロックされます。ただし、根拠なく異議を申し立てて権利者が正式な削除依頼に切り替えると、警告になることがあります。
1分を超えるショートが著作権でブロックされました。
2026年9月24日から、新しく投稿する1〜3分のショートは、申し立てがあっても自動ではブロックされないように変わりました。それ以前に投稿してブロックされたショートは、該当部分を削除するか、根拠があれば異議を申し立てて解決します。
最後に
今日、自分のチャンネルの人気ショート10本を上のチェックリストに照らしてみてください。1行でも引っかかる動画があれば、警告が来る前に自分で直すか取り下げるのが、いちばん安く済みます。